学資不足の学生への支援や、若手研究者の研究活動に対する助成に取り組む公益財団法人「木下記念事業団」(神戸市中央区)の奨学生・寮生交流会が9日、大阪市北区のホテルモントレ大阪で開かれ、乾正人産経新聞特別記者が「若者と政治」と題して講演した。
大阪大や神戸大、兵庫県立大など全国29の大学・大学院の190人が出席。乾氏は、8月9日は長崎原爆忌とともに、ソ連が1945年に対日参戦し、日本の勢力圏で侵攻を開始した日だと紹介し「79年前とは今も地続き。自国の歴史を知ってほしい」と訴えた。
選挙での若年層の低投票率にも言及。国連による幸福度調査の結果との相関を示し「どうすればいいか、皆がそれぞれの考えを持って」と求めた。その上で「考える習慣」を身に付けるには「正しい情報をインプットする必要がある」と指摘。「新聞を大いに活用してもらえれば」とした。
講演の後半には質疑応答もあり、学生から質問が活発に出た。
その後の交流会では、事業団の活動に理解を寄せる三菱UFJ信託銀行から、2025年大阪・関西万博を体験してほしいと、前売り入場券50枚が抽選で当たった学生一人一人に贈られた。国立文楽劇場(大阪市中央区)からも文楽のチケット6組12人分が贈呈された。