18日から始まる大学入学共通テスト直前に、大学受験予備校「ニチガク」(東京都新宿区)が閉鎖された問題で、学研ホールディングス(HD)は8日、ニチガクの生徒らを対象に無償指導など救済支援を始めると発表した。
支援は、家庭教師事業などを手掛ける同HDグループ会社の「学研エル・スタッフィング」が担う。ニチガクの生徒への無償指導では、高校3年生や浪人生に対しては志願校の受験日まで最大360分、1~2年生は3月末まで最大960分実施する。チューター(個別指導者)とのチャットや、ニチガク生徒同士の情報交換などが可能なオンライン自習室の開放も検討している。
また、ニチガクに勤務していた講師向けには、教育関係の職種への転職相談や人材派遣に応じるという。
ニチガクを巡っては、運営する「日本学力振興会」が破産申し立てを視野に債務整理をする方針を決め、4日までに西新宿にある校舎が閉鎖された。事前に生徒らへの通知はなかったとみられる。
代理人弁護士らによると、生徒数の減少が止まらない中、パソコンの導入や自習室の整備に多額の投資をしたのが重荷となり、資金難に陥ったという。現状、生徒は130人ほどおり、負債総額は1億円弱の見込みだ。
学研エル・スタッフィングの担当者は「過去問の解説など学習面に限らず、今後の進路への不安や悩みの相談に乗るなど、メンタル面のサポートにも重点を置く。今は非常につらい状況にあると思うが、受験は『最後までやりきった』という自信を持って臨むことがとても重要で、できる限りの支援をしたい」と話した。