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受験シーズン突入、親が平静装う方法教えます 子供は今、絶妙なあみだくじの中  桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース 2024年12月21日 11時0分

不合格ならどうしよう。あの学校もこの学校も行けなくて、結局オープンキャンパスにすら行ったことがない学校になってしまうと、入学式を楽しみにすることなんてできないんじゃないか。入学後、子どもは楽しく学校生活を送れるのだろうか。

受験本番が近づくとそんな不安が押し寄せてきます。その不安はきっと子ども伝わってしまうでしょう。ずっと塾で頑張ってきたのに、ここにきて本人の不安を増幅させてはいけません。

「希望の学校に落ちたら落ちたでいいよ。気楽に頑張りなさい」そんな風に声をかけると油断するのが怖い。「ここを落としたらあなたの人生は終わりよ!」なんて追い込んではいけないのは当たり前。しかし、平静を装うなんてなかなか難しいものがあります。

これはまず親の本音を改善しなくてはならないと思います。親が「あの学校もこの学校も落ちたときの状況」を「最悪」と思っていてはそりゃ顔にも出ます。落ち着いて考えてほしいのです。

その状況になったとき、本当に最悪でしょうか。子どもって意外と順応性が高いのですぐに馴染んでくれるかもしれません。「いやいや、オープンキャンパスにも行ったことがない学校に通うなんて考えられない。馴染んでもらっても困る。ここまで頑張ってきたんだから」と、親がこのように思ってしまうとそこから何も生まれません。

当時の私も極端でした。「桜蔭中学校以外はだめ。考えられない。頑張った意味がない。他のことを考えてはだめ」とわざと考えないようにするわけです。自分で崖のふちに立とうとする。親として最悪の発想です。

当時の私に近い発想の方、まずは考えを改めましょう。

「置かれた場所で咲きなさい」というじゃないですか。中学受験を直前に控えた親には刺さりにくい言葉だと思いますが、冷静になってこの言葉と向き合ってほしいと思います。

出た結果全てが、子どもの今後の人生にとって最良の道だったんだと思えること、これがまだ小学生という幼い受験生を支える親の役目だと私は思います。我が家も色々ありました。振り返ると、こんなにうまくできていたんだと思うほど、絶妙なあみだくじが完成しているのです。その曲がり角ひとつひとつで「置かれた場所で咲きなさい」と声をかけられ真っ直ぐ進む。「ここで曲がるのかあ」と。

そして、おそらくここで咲くんだろうなという場所に辿り着く。こんな感じじゃないかなとイメージしています。

寒い日が続くと、少し気持ちも冷え込みます。お風呂に入って芯から温まり、「そうだよ。あみだくじだよ」と考えてみてください。意外と気持ちが落ち着くと思います。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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