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東大入試、足切り点変更で前年比1000人超が挑戦できない計算 受験生「無理か…」

産経ニュース 2025年2月4日 15時35分

国公立大入試の2次試験(個別試験)では、国内トップの東京大学が今年度、大学入学共通テストの成績によって2次試験受験者を絞る「第1段階選抜」(足切り)のラインを引き上げた。5日の出願締め切りを目前に、ボーダー上にいるとみられる受験生らからは「大丈夫だろうか」などと気をもむ声が聞かれる。

引き上げ理由は「採点を一層丁寧に行うため」

東大の足切りラインを巡っては、同大が昨年、今回の令和7年度入試から、理科3類を除く5科類で、前回6年度から基準を上げることを発表。同大入試事務室は理由について、2次試験に進める受験者が減ることによって、「採点をより一層丁寧に行い、より深く答案と向きあえるようになる」などと説明する。

これにより、文科1、2、3類は、足切りの予定倍率がいずれも約2・5倍(6年度はいずれも約3・0倍)に。理科1類は約2.3倍(同約2・5倍)、理科2類は約3.0倍(同約3・5倍)になった。

理科3類については、6年度と同基準の約3・0倍が維持されている。

6年度入試では、第1段階選抜で約900人が不合格となった。今回の基準変更により、各科類に前回並みの志願者があった場合、さらに1000人以上が切られる計算になる。

倍率注視、理1→理2へ「鞍替え」も検討

東大のウェブサイトによると、2月3日午後5時時点の各科類の志願倍率は、いずれもすでに足切り実施の基準倍率に迫っている。6年度は未実施だった文1と文2も、それぞれ2・29倍(足切り倍率2・5倍)、2・20倍(同)に達しており、最終的に全6科類で実施される可能性が高い。

一方、足切りのラインの引き上げにより、共通テストの結果に不安を抱える受験生が東大を敬遠し、他大学に出願を変更することも予想される。

東大受験を検討している受験生からは、気をもむ声が上がっている。過去データを基に足切りラインを予想しているサイトには、「自己採点で(共通テストの点数が)×××点でした。文1志望ですが、無理でしょうか」などと可否を尋ねる投稿が。SNS上では、3日時点の志願倍率が足切り倍率に最も近い理1(志願倍率2・22倍、足切り倍率2・3倍)から、やや余裕のある理2への「鞍替え」を検討しているといった声も目立った。

また、昨年度受験の合格者とみられるアカウントから、「去年が今年の(足切り)基準だったら、絶対に落ちてた」とする投稿もあった。

第1段階選抜の結果発表は12日、2次試験は25日から行われる。

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