Infoseek 楽天

あの都知事選ポスター掲示板、文化祭で再利用 都立田園調布高「選挙の関心も高まった」

産経ニュース 2024年9月9日 20時3分

7月に投開票された東京都知事選で、枠が足りなくなったり、候補者と無関係のポスターが多数張られたりするなど何かと物議を醸したポスター掲示板が、高校生の手で生まれ変わろうとしている。都立田園調布高(東京都大田区)は、今月13、14日に開催予定の文化祭「ぽろにあ祭」で資材として再利用。同区選挙管理委員会が協力したかたちで、発案者の同校3年、吉川智也さん(17)は経費節約だけでなく、「選挙への関心も高まった」と話している。

文化祭本番に向け、現在、生徒らは仕上げの真っ最中。知事選で目にしたあのポスター掲示板は、模擬店やアトラクションなど各クラスの出し物の壁や小道具などさまざまな物に形を変えている。

同校では、例年、各クラスに分配された生徒会費で資材を購入していたが、昨今の物価高騰などにより調達が難しくなった。これを受け、吉川さんがポスター掲示板の再利用を発案。告示前の5月、吉川さんが同区の選管に提供を申し入れ、知事選終了後に72組を譲り受けた。

同区選管によると、7月の都知事選で同区内に設置されたポスター掲示板は578組。木材ではなく、古紙を再生し耐水加工などを施したものだという。

同校の藤田豊校長は、「選挙掲示板を再利用することで、今までと同じ費用で、生徒の表現活動を充実させることができた。また、何年か繰り返し使っていくことで、資源を有効活用できる」と話す。

吉川さんは「これまで段ボールでまかなっていた部分に掲示板を用いるなど、例年以上に企画を充実させることができた。また、誰に投票するかや誰が『推し』かといった話で盛り上がるきっかけになり、選挙への関心が高まった」という。掲示板が物議を醸したことについては「もっと注目されて、この取り組みが広がってくれればよいと思った」とも話した。

ぽろにあ祭は一般公開され、13日は午前10時~午後3時半、14日は午前9時~午後3時まで。(大波加将太)

この記事の関連ニュース