Q
小学5年生の息子はよく嘘をつきます。明らかに嘘と分かるので叱っても、息子は認めないだけでなく、大声で怒る場合もあります。サッカー教室と学習塾も最近無断で休み、遅刻も多いです。理由を聞くと、訳の分からない嘘をつきます。小学生なので、多少の嘘は仕方ないと思いますが、度を越しているように感じます。放っておくのがよいのでしょうか。それとも親として叱ったほうがよいのでしょうか。
A
子供に「嘘をつくのはよくない」と教える親は多くいます。でも私たち大人も軽い嘘ならよくついています。何かのお誘いを断る際は「用事があって」、寝坊で遅刻したときは「バタバタしちゃって」などと嘘を伝えた経験は誰でもあるはず。本当のことを言うとややこしいことが起こるからです。子供も同様に、本当のことを言ったら怒られそうなときはよく嘘を言います。息子さんが嘘をついたときに叱るのは逆効果で、叱られないようにと、さらに嘘を重ねますよ。
保育士時代、私は嘘をつく子供にはこう言っていました。「本当のことを言ったら絶対に怒らないからね。でも嘘と分かったら怒るよ」と。するとたいていは「へへ~」とはにかみながら本当のことを言ってくれました。その際、褒めることはあっても絶対に怒らないようにしました。そして、どうすべきだったかを優しく伝えます。本当のことを言っても怒られないのなら、子供は元来正直なので、嘘をつかなくなっていきます。
子供は普段「指を挟んだ~」と正直に言うと「触るからでしょ!」と叱られ、「おなかが痛い」と本当のことを言うと「あんなに食べるからでしょ」と叱られることが多いもの。日常の中でそんなふうになっていないか、普段の声掛けも再確認してみてください。(こどもコンサルタント)
はらさか・いちろう 23年間の保育士勤務を経て平成16年から、こどもコンサルタントとして研究・執筆・講演活動を行う。日本笑い学会理事。自他共に認める怪獣博士でもある。
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