【バクー=小野田雄一】アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は22日、会期最終日を迎えた。主要議題である来年以降の気候変動対策資金の枠組みに関する先進国と途上国の溝が埋まるかはなお不透明で、協議は23日以降も続くとの観測が強い。
22日に発表された成果文書の草案は、途上国の支援に「年間1兆3000億ドル(約200兆円)」の資金が必要だと指摘。その上で現在、先進国が途上国の気候変動対策を支援するために拠出している年間1000億ドルの資金について、今後は「2035年まで年間2500億ドル」の拠出とする新たな目標を設定した。
ただ、先進国に1兆ドル規模の拠出を求めてきた途上国が草案に理解を示すかは見通せない。一方、先進国は新興国も資金拠出に参加させることを求めてきたが、草案では「途上国に(資金拠出への)追加的貢献を要請する」との表現にとどまっており、先進国が同意するかも不透明だ。