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アマゾン産ナマズを東京都内の用水路で確認 ペット用が放流されて繁殖か 生態系に影響も

産経ニュース 2024年8月8日 20時49分

東京都内の用水路で6、7月、南米アマゾン川に生息する熱帯魚「プレコ」の一種のサッカープレコが確認された。確認したのは埼玉南部漁協の組合員で人気ユーチューバーの「あらかわ」さん。視聴者から寄せられた情報をもとに調べたところ、体長6~40センチ程度の個体が複数見つかり、あらかわさんは「生態系を乱す可能性があり、駆除が必要だ」と指摘している。

飼い切れなくなり放流か

プレコは、南米アマゾン川に生息する熱帯魚で、ナマズの一種。ペットショップなどで簡単に手に入る。観賞用として販売されているが、草食性のため、水槽のコケ取り用としても愛好家に重宝されている。

プレコの大きさは多様で、数十センチ未満から1メートル程度まで成長するものもあるという。今回確認されたサッカープレコは40~50センチまで大きくなるとされる。

あらかわさんによると、今回確認されたうち、体長6センチ程度の個体は幼魚とみられ、用水路には巣と考えられる穴もあった。このため、越冬・繁殖している可能性が高い。あらかわさんは、「成長して飼い切れなくなった個体が放流され、繁殖したのではないか」としている。

護岸にに穴掘る習性も

プレコは、輸入や繁殖などが制限される特定外来生物に指定されているわけではないが、そもそも日本には自然に存在しない外来種。硬い外殻や幅の広い胸びれが特徴で捕食されにくく、日本には天敵がいないとされる。すでに沖縄では放たれたプレコが定着してしまい、生態系への影響が懸念される状況になっているという。

あらかわさんは「数が増えれば在来種と餌が競合するなどして生態系を乱す恐れがある。また、護岸に深い横穴を掘って産卵する習性があり、護岸崩壊や陥没の恐れがあることから、駆除が必要」と警告する。

一方、都環境局は「農水産物などへの被害が確認されていないことから、駆除などの予定はない」との立場。都では、平成29年から保護された犬や猫の譲渡に関する情報をまとめた「ワンニャンとうきょう」を開設しているが、魚類は対象外。都の担当者は「外来種は入れない、捨てない、広げないが原則。ペットは最後まで責任を持って飼ってほしい」としている。

あらかわさんは「親族が亡くなるなど、観賞魚の扱いに困り、悪意なく放流するケースもある」と指摘。飼えなくなったペットの処分のあり方が課題として残る。(大波加将太)

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