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水道水のPFAS含有量、目標値超はゼロ 令和6年度 2~5年度は12都府県で超過

産経ニュース 2024年11月29日 11時51分

環境省と国土交通省は29日、発がん性が懸念される有機フッ素化合物「PFAS」について、水道水への含有量に関する初の全国調査結果を公表した。令和2年度以降、国が定めた含有濃度の暫定目標値を超過したのは12都府県の14事業に上ったが、最新の検査結果となる6年度はゼロだった。政府は今回の結果も踏まえ、新たな基準をつくり対策を急ぐ。

調査は主に飲み水として使用する水道を対象に、管理する自治体や水道事業者に対し、令和2年度から今年9月末までに実施した水質検査の結果などについて回答を求めた。給水人口が5千人以上の上水道のほか、101人~5千人以下の簡易水道など小規模事業も初めて対象に含め実態を調べた。

国内では2年に飲用水に含まれるPFASの代表物質、PFOSとPFOAの合計含有量が1リットルあたり50ナノグラム(ナノは10億分の1)とする暫定目標値を設定。環境省は今年5月、全国3755事業に通知を出し、3595事業から回答を得た。

このうち検査実績があったのは2227事業で、東京都水道局や大阪広域水道企業団四条畷(大阪府)、兵庫県西脇市など12都府県14事業が2~5年度に目標値を超過。最も高濃度で検出されたのは、4年度の岡山県吉備中央町で暫定目標値の28倍に相当する1400ナノグラムだった。

また、6年度に検査を実施した1745事業のうち332事業でPFASを検出したが、目標値を超過した事例はなかった。環境省は「水源の切り替えや活性炭による浄化処理など自治体や水道事業者の対策が奏功したのでは」としている。

PFAS

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称。1万種類以上の物質があるとされる。耐熱や水、油をはじく特性から布製品や食品容器、フライパンのコーティングのほか、航空機用の泡消火剤に使われてきた。

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