京都市北区の上賀茂神社で16日、正月神事の締めくくりとなる「武射(ぶしゃ)神事」が営まれ、神職らが矢を放って厄払いした。
平安時代の行事「射礼(じゃらい)の儀」が由来とされ、その後神事化された。明治時代に途絶えたが、昭和10年ごろに再興され、毎年1月16日に行われている。
この日は本殿での神事を経て、特設の射場(いば)で「蟇目(ひきめ)の儀」が営まれた。続いて神職4人による「大的(おおまと)式」があり、直径約1・6メートルの的に向かって矢を奉射。的の裏には「鬼」の文字が書かれており、矢で射ることで魔よけなどを願う。
最後に小笠原流近畿菱友会の射手による「百々手(ももて)式」が行われた。力強く矢を放つりりしい姿に、参道の観光客は盛んにカメラのシャッターを切っていた。(渡辺大樹)