作家、司馬遼太郎さんをしのぶ「第28回菜の花忌シンポジウム」(司馬遼太郎記念財団主催)が11日、大阪府東大阪市の市文化創造館で開かれた。「『空海の風景』を読む」をテーマに、1320人の聴衆が聞き入った。
国際日本文化研究センター教授の磯田道史さん、作家の澤田瞳子さん、宗教学者で相愛大学長の釈徹宗さん、作家の辻原登さんがパネリストとして登壇。弘法大師空海の生涯を描いた「空海の風景」の魅力を語り合った。
磯田さんは、「空海の思想そのものだと思うが、欲とか煩悩とかがあるのが自然の姿だといってくれるのがありがたい」と語った。釈さんは、「宗教、信仰、仏教、密教を語るときの切れ味のすごい作品。きっと、みなさんが見えない世界に心をのばすときの導き手になると思う」と話した。
シンポジウムに先立って、「日ソ戦争 帝国日本最後の戦い」(中央公論新社)で第28回司馬遼太郎賞に決まった麻田雅文・岩手大准教授への贈賞式なども行われた。
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シンポジウムの詳報は後日掲載します。