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血気盛んな秀吉と慈悲に満ちたねね、高台寺で若き日の肖像画奉納

産経ニュース 2024年10月4日 12時56分

豊臣秀吉の正室、北政所(きたのまんどころ)(ねね)が創建した高台寺(京都市東山区)に、若き日の2人を描いた肖像画が奉納された。ねねの没後400年記念事業の一環。放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」の衣装デザインなどを担当する日本画家の諌山宝樹(たまじゅ)さん=京都市左京区=が同寺の依頼を受け、制作した。ねねの遠忌法要が行われる6日まで、境内の方丈に掲げられている。

肖像画はいずれも縦110センチ、横63センチ。秀吉は籠手(こて)をつけて戦支度をする姿が、ねねは萩などの秋の花を釣り下げた花器に生ける姿がそれぞれ描かれた。

若いころの2人の肖像画がないことから、高台寺は秀吉については36歳ごろの血気盛んな様子を、ねねは24歳ごろの優しく慈悲に満ちた様子をリクエスト。同寺所蔵の肖像画などを参考に描いてもらったという。

諌山さんは、甲冑や生け花などの時代風俗考証を専門家に依頼するなどして慎重に準備を進め、「2人の暮らしのイメージをふくらませて描いた。新しい世を創ろうと力がみなぎる秀吉さんと、たおやかで愛情深いねねさんを描くことができた」と手応えを語った。

高台寺の奥村紹仲執事長は「寺の宝物として若き日の姿を後世に伝えていきたい」と述べた。

また25日からは肖像画の複製を展示する。問い合わせは高台寺(075・561・9966)。(田中幸美)

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