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広大な敷地に歴史から宇宙まで 府中市郷土の森博物館 現着しました!

産経ニュース 2024年8月24日 19時30分

自然を感じられる四季折々の草花に、江戸時代や昭和初期の歴史的建物の数々。古代武蔵国の中心として栄えた府中の街並みもジオラマで再現され、大型のプラネタリウムもある。「府中市郷土の森博物館」を訪ねると、そのスケールと内容の充実ぶりに驚かされた。

昭和62年に開館。東京ドーム3個分、約14ヘクタールの広大な敷地を有する。正門を入ると、実際の府中駅前の通りと同じように、シンボルであるけやき並木が出迎えた。その周りに、大正10年に竣工した旧町役場(都指定文化財)や文政12(1829)年に創建された旧三岡家長屋門など8棟が移築・復元されている。

実際の地形を再現

敷地内には「甲州街道」と名付けられた道が東西を横断し、人工の川も流れる。多摩川に向かうにつれ低くなる実際の地形が再現され、田んぼもあって「小さな府中」を体感できる。

府中の歴史や風土を紹介する博物館本館には宿場町、府中の解説展示や、武蔵国の総社、大国魂神社の例大祭「くらやみ祭」の歴史を映し出す大型スクリーンが設置されている。

連日にぎわいを見せているのが、直径23メートル、東日本最大級を誇る水平型プラネタリウムだ。市内に本社を置く五藤光学研究所製の投映機が開館当初から使用されている。平成30年に投影機の光源がLEDにリニューアルされ、約1億個の星を映し出すことができるという。

夏休み期間には、1日に最多6番組が投映される。子供向けの番組が多く、幼児向けの「ベビープラネタリウム」では星空や星座の生解説が行われる日もある。

敷地内には水遊びができる池やプールがあり、定期的に噴水が出たり、約2万個のボールが浮かべられたりし、多くの子供たちが涼む場としても活用されている。

本館は昨年9月から施設老朽化などによる修繕工事で閉館していたが、7月20日に再開。電気設備の更新や、トイレの改修、授乳室の設置などを行い、より訪れやすい環境を整備した。

昨年度は工事のため入館者数は減少したものの、一昨年度は新型コロナウイルスの影響もありながら、史上最多の約35万人を記録。館長の深沢靖幸さん(61)は「徐々に良さが伝わってきたのでは」と笑顔で語る。

SNSで人気拡大

植えられた草花を写真に収めようと多くの人がスマートフォンを片手に訪れるといい、交流サイト(SNS)上への投稿や口コミで人気が広がっているという。

毎年2月ごろには太宰府天満宮(福岡県太宰府市)から贈られた「太宰府の梅」など約120種1300本が咲く様子を楽しめる「梅まつり」が開催されている。今年は梅をライトで照らしたり、梅にまつわる謎解きゲームなどが行われるなどした。

他にも約40万株あるというヒガンバナや約1万株のあじさいがあり、季節の花ごとに祭りなどのイベントが実施されている。

深沢さんは「広大な敷地にさまざまな施設や自然があるのでどんな世代でもそれぞれの楽しみ方で過ごせる場所」と魅力を語った。(梶原龍)

府中市郷土の森博物館

府中市南町6の32。開館は午前9時~午後5時(入場は午後4時まで)。休館日は月曜日。月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館。夏休みや梅まつり期間は臨時開館あり。博物館入館料は大人300円、4歳から中学生150円。プラネタリウム観覧料は大人600円、4歳から中学生300円。問い合わせは、042・368・7921。

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