Infoseek 楽天

30代半ば、世界では〝長老〟扱いも…成長誓う囲碁の井山裕太三冠 <マンスリー囲碁>

産経ニュース 2024年10月23日 7時30分

「私も30代半ばにさしかかっているが、世界では完全に〝長老〟のような扱いを受けている」。今月4日に東京都内で行われた碁聖就位式で、4連覇を果たしてあいさつに立った井山裕太三冠(35)=十段・王座・碁聖=は、こう会場の笑いを誘った。

「今の自分にとっては最も相性のいい棋戦」と振り返るように、直近3年の碁聖戦五番勝負では、一力遼棋聖(27)=天元・本因坊=や芝野虎丸名人(24)を相手に、いずれもストレートの3連勝で防衛。通算獲得期数も10期の大台に乗せ、小林光一名誉碁聖(72)を抜いて単独最多となっている。

今年4月には6期ぶりに十段位を奪還して3冠に復帰するなど、国内のタイトル戦で再び存在感を増す一方で、メジャー世界戦の舞台では頂点まであとわずかの地点での足踏みが続く。

今期の碁聖戦五番勝負と並行して行われた国際棋戦の爛柯(らんか)杯では、日本勢として唯一ベスト8に進出していたものの、準決勝で中国の辜梓豪九段(26)に敗北。その後、9月に応氏杯決勝で一力棋聖が日本勢19年ぶりとなる主要国際棋戦優勝を果たし、「世界一」は先を越される形となった。

囲碁棋士のレーティングサイトでは、世界ランキング1位の韓国の申眞諝九段(24)をはじめ、20代の棋士が上位にひしめく。「まだまだ気持ちだけは若く持ち続け、自分に伸ばしていける部分があると信じてこれからも進んでいければ」。〝長老〟はさらなる成長を誓った。(村嶋和樹)

この記事の関連ニュース