26日、東京都文京区の豊島岡墓地で営まれた三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」。午前10時ごろから行われた中心儀式の「葬場の儀」にはゆかりの人ら481人が参列し、2回に分けて行われた一般拝礼にも903人が足を運んだ。訪れた人はひつぎや遺影の前で百合子さまのお人柄をしのび、別れを惜しんだ。
儀式には、百合子さまが31年間、名誉総裁を務められた一般財団法人民族衣裳文化普及協会の水島博子さん(85)も参列。拝礼後、「改めて、『長いご一生をお疲れさまでした』と感謝をお伝えした」とした上で、「着物文化の繁栄への貢献はもちろん、われわれ協会員に希望と激励を与えてくださった」と百合子さまのご功績をたたえた。
一般拝礼の入場口となる墓地正門前には、受け付け開始の1時間以上前から100人を超える人が並び、一時は最寄りの護国寺駅付近まで列がのびていた。
百合子さまのおそばに侍女として仕えたことがあるという渡部真弓さん(68)は、熊本県から上京して列に並んだ。「百合子さまから勧められた日本刺繍がきっかけで今の主人とも出会った。ご縁がなければ、結婚もしていなかった。お亡くなりになられて、いろいろと思い出す」と涙を浮かべ、「高貴でお優しい方だった」と懐かしんだ。
家族ぐるみで親交があったという高橋幸子さん(76)は、「いらっしゃるだけで温かな気持ちになる方。言葉遣いが丁寧で、優しい印象。亡くなられて残念です」と悔やんだ。
公益社団法人日本ボウリング場協会専務理事の新井裕道さん(58)は、平成28年に薨去した三笠宮さまゆかりのチャリティーボウリング大会に、百合子さまも足を運ばれたとして、「見守ってくださったことへの感謝の気持ちで来た。今は(孫の)瑶子さまにお越しいただき、温かいお言葉をたまわっている」と話した。
百合子さまの孫の三笠宮家の彬子さま、瑶子さま、高円宮妃久子さまの長女の承子さまらも通われた学習院の行事で、百合子さまを見かけたことがあるという東京都豊島区の女性(89)は、「3人のお子さまに先立たれた後も、お孫さんをずっと見守っていらした」と話し、「気丈で、本当にお美しい方だった」としのんだ。