15日に101歳で薨去(こうきょ)された三笠宮妃百合子さま。令和4年に出版された伝記「三笠宮崇仁親王」で、三笠宮家の彬子さまと共に、百合子さまのオーラルヒストリーの聞き手を務めた舟橋正真・政治経済研究所研究員は、百合子さまのお人柄について「控えめで、とても温かい方」と述懐。そのご足跡を「公私にわたって三笠宮さまを支え、自らも公務に取り組まれるなど、女性皇族の模範となり得る像を示された。ひいては三笠宮家にとって要のようなご存在だった」と語った。
百合子さまへの聞き取りは計11回にわたり、和やかな雰囲気の中で行われた。真摯(しんし)にインタビューに応じつつも、「コロコロとよく笑う」百合子さまのお姿が印象的だったという。舟橋氏は「彬子さまが聞き手を務められていたこともあり、三笠宮さまのご事績、皇室の歴史や文化を『孫に伝えたい』というお気持ちを感じた。また、伝記を通して、一般の人にも広く知ってほしいという思いもおありだったのではないか」と話す。
舟橋氏の印象に残っているエピソードがある。百合子さまは便箋やペン、定規など、三笠宮さまの公務先で必要になりそうなものを事前に準備し、三笠宮さまがソワソワすると、すかさず渡されていたという。
「三笠宮さまは『打ち出の小づちだな』とおっしゃったそう。三笠宮さまが研究に、公務にと幅広い活動がおできになったのは、百合子さまのお支えが大きかったのではないか」とおもんぱかった。