令和7年を迎え、天皇陛下は1月1日早朝から宮中祭祀(さいし)に取り組まれた。皇居・宮中三殿に付属する神嘉殿(しんかでん)の前庭で「四方拝(しほうはい)」に臨み、皇祖神の天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる伊勢神宮、歴代天皇の眠る山陵、四方の神々に向かってご拝礼。その後、宮中三殿で「歳旦祭(さいたんさい)」に臨み、神々に国民の加護を祈られた。
その後、陛下は皇后さまとともに、皇居・宮殿で皇族方や三権の長らから新年のお祝いを受ける「新年祝賀の儀」に臨まれた。宮殿「松の間」で、秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方からお祝いのあいさつを受けた後、皇族方とともに部屋を移動し、石破茂首相や衆参両院議長、最高裁長官、各国の駐日大使らから祝賀を受けられた。
衆参両院議長からのお祝いのあいさつに対し、陛下は「深く感謝いたします」と伝え、「年頭に当たり、国民の幸せと国の発展を祈ります」と述べられた。
皇居で2日、2年ぶりに新年一般参賀が行われ、計5回で6万690人が訪れた。
午前10時10分からの1回目の参賀には、両陛下と秋篠宮ご夫妻のほかに、上皇ご夫妻、両陛下の長女の敬宮(としのみや)愛子さま、秋篠宮ご夫妻の次女の佳子さま、常陸宮妃華子さまが並ばれた。
陛下はお言葉で6年の能登半島地震や大雨などの災害に触れ、「ご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じています」とした上で、「本年が皆さんにとって、安らかで良い年となるよう願っております」と述べられた。
陛下は3日、宮中三殿で「元始祭(げんしさい)」に臨み、国家国民の繁栄を祈られた。4日は宮殿で、宮中祭祀をつかさどる掌典職幹部から、伊勢神宮や宮中の祭事について話を聞く「奏事始(そうじはじめ)」に臨まれた。
昭和天皇の命日に当たる7日、陛下は皇居・宮中三殿の皇霊殿で、昭和天皇祭に臨まれた。秋篠宮ご夫妻もご拝礼。愛子さまをはじめとする皇族方も参列された。
陛下と秋篠宮ご夫妻は夕方から行われた「御神楽(みかぐら)の儀」にも臨まれた。両陛下は御神楽の儀が終了する深夜まで、御所で慎み深く過ごされた。
秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは6年12月29日、30歳の誕生日を迎えられた。
佳子さまは7年1月9日、東京都港区の麻布台ヒルズ ギャラリーで開催中の「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」を鑑賞された。
金工や陶磁、染織などの伝統工芸作家20人が、「ポケットモンスター」を表現した作品約80点を展示。彫金や七宝焼の技術を用いたキャラクターの前では、佳子さまは作品に顔を近づけて鑑賞し、「七宝でまた新しい表現ができるのはすてきですね」と述べられていた。
三笠宮妃百合子さまの薨去(こうきょ)から50日目となる3日、文京区の豊島岡墓地で「墓所五十日祭の儀」が営まれ、喪主で孫の三笠宮家の彬子さまと、秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方が拝礼された。ご夫妻の長男、悠仁さまもご参列。両陛下と上皇ご夫妻は慣例で参列せず、それぞれ使者を送られた。
儀式では、彬子さまが使者に続き、墓前で深々とご拝礼。ほかの皇族方も続かれた。
百合子さまは6年11月15日、101歳で薨去された。
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