阪神大震災の発生から30年を迎えた17日、天皇、皇后両陛下は神戸市の兵庫県公館で開かれた追悼式典で黙禱(もくとう)をささげ、供花された。
両陛下は式典に先立ち、震災を教訓に発足した被災地支援団体の関係者らとご懇談。参加者によると、被災した学校の再開の支援や、生徒、教職員らの心のケアを行う関係者に、天皇陛下は「早期に関わることが大事ですね」と語りかけられたという。
両陛下は式典後、同市の防災学習施設に足を運び、地元の小学生が災害のメカニズムなどについて学ぶ様子をご視察。皇后さまは子供たちに「どんなことが難しいですか」と声を掛けられた。両陛下は同日夕、特別機で帰京された。
宮内庁によると、17日は上皇ご夫妻と両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまも阪神大震災の犠牲者を悼み、それぞれお住まいで黙禱された。
新年恒例の「歌会始の儀」が22日、皇居・宮殿「松の間」で「夢」をお題に行われた。両陛下と皇族方が並ばれ、愛子さまも初めて参列された。
《旅先に出会ひし子らは語りたる目見(まみ)輝かせ未来の夢を》
陛下は御製(ぎょせい)で、公務などで訪れた先々での子供たちとの交流をご回想。将来の夢について生き生きと話す様子をうれしく思われたという。
《三十年(みそとせ)へて君と訪(と)ひたる英国の学び舎(や)に思ふかの日々の夢》
皇后さまは、昨年6月に国賓として訪れた英国で、陛下とともに、30年以上前に留学生活を送ったオックスフォード大を再訪した際、若き日の志を思い起こしたことを詠まれた。
終了後、両陛下は入選者らとご懇談。元中学校教員で、海外の難民キャンプを題材にした授業での生徒との思い出を詠んだ女性に、陛下は平和を願う言葉をかけられたという。
秋篠宮さまは20、21日、総裁を務める日本動物園水族館協会の水族館技術者研究会臨席などのため、京都府を訪問された。20日に京都市で開催された研究会には、全国から70人以上の飼育員らが参加。出席者によると、沖縄県の沖縄美ら海水族館で取り組むマンタの繁殖についての報告や、新潟市水族館マリンピア日本海によるハゼの保全活動に関する発表などがあり、秋篠宮さまはうなずきながら聞かれていたという。
21日には、京都市の京都水族館をご視察。飼育員から水族館が保護や調査に取り組むオオサンショウウオについて説明を受け、在来種と外来種との交雑個体をご覧に。秋篠宮さまは「どのくらい生きるのですか」と質問し、在来種の減少を危惧されている様子だったという。
寬仁親王妃信子さまは21、22日、「全国農業担い手サミット」臨席などのため、佐賀県を訪問された。
三笠宮家の彬子さまは23日、東京都港区の麻布台ヒルズギャラリーを訪れ、開催中の「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」を鑑賞された。
高円宮妃久子さまは20日、特別展「旧嵯峨御所大覚寺-百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」を鑑賞するため、東京国立博物館平成館(台東区)へ足を運ばれた。
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