三笠宮妃百合子さまは、民族衣裳文化普及協会の名誉総裁を務め、着物文化の継承にも尽力された。百合子さまの誕生日に果物を贈るなど親交のあった同協会の水島博子さん(85)は「薨去(こうきょ)を知り、思わず涙が出た。振る舞いに気品があり、どんな人も迎え入れてくださるお方だった。憧れの存在でした」とそのお人柄をしのんだ。
百合子さまが名誉総裁を務められたのは、昭和54年から平成22年までの31年間。協会関係者は「上品なお着物を召されていたのを鮮明に覚えている」と振り返った。
明るい色の着物に身を包み、周囲と談笑される百合子さま。協会には、和装を愛された様子をしのばせる写真が数多く残されていた。着物作家や染め職人ら功労者をたたえる表彰式では、功労者一人一人に温かいお言葉を述べられていたという。水島さんは「皆さんの励みになっていたと思う」と語った。
水島さんは新年の祝賀行事で百合子さまとの歓談が印象に残っている。「(昭和16年に)百合子さまが若くして三笠宮さまに嫁がれた際、当時はお正月でも食卓には西洋料理が出ていたらしく、そのことに『驚いた』と話されていたことが懐かしい」と話した。(塚脇亮太)