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天皇、皇后両陛下、台風10号被害案じられる 音楽の振興、普及活動おねぎらい 皇室ウイークリー(862)

産経ニュース 2024年9月6日 12時0分

天皇、皇后両陛下は8月30日、静養のため滞在していた那須御用邸付属邸(栃木県那須町)から、皇居・御所に戻られた。同日、乾門から車で皇居に入る際には、窓を開け、沿道の人に手を振って応じられていた。

両陛下は21日から付属邸にご滞在。自然豊かな環境で、季節の草花などを楽しまれた。宮内庁によると、滞在中は雨が降ることも多かったが、その合間に両陛下で敷地内を散策したり、皇宮警察の警察犬と触れ合ったりされたという。長女の敬宮(としのみや)愛子さまは、日本赤十字社での勤務などを考慮し、今回は同行を見送られた。

側近によると、両陛下は静養中、各地で大雨をもたらした台風10号の被害について心配されていたという。今回の大雨では犠牲者が出たほか、各地の建物などが被害を受けた。側近によると、両陛下は多くの人が被災したことに心を痛め、暑い日が続く中で復旧にあたる人々のことも案じられていたという。

両陛下と愛子さまは今月3日、東京都千代田区の紀尾井ホールを訪れ、世界最高峰の弦楽器「ストラディバリウス」などが集結したコンサートを鑑賞された。

ストラディバリウスはイタリアの弦楽器製作者、アントニオ・ストラディバリらが製作した弦楽器の総称。日本音楽財団の設立50周年を記念したコンサートには、同財団から楽器を貸与されている演奏者らが出演した。お三方は会場で、バイオリンやビオラなどの多彩な音色に耳を傾け、拍手を送られた。

終了後には、財団関係者や出演者らとご懇談。関係者によると、両陛下は演奏会について「素晴らしかったです」と感想を述べられ、愛子さまは、出演者に楽器を始めたきっかけなどについて尋ねられたという。また、お三方は、同財団が取り組んできた音楽文化の振興と普及の活動について、関係者にねぎらいの言葉をかけられた。天皇陛下は皇太子時代の平成20年にも、同財団の35周年記念の演奏会に臨席されている。

陛下は4日、皇居内の生物学研究所脇にある水田で、稲刈りをされた。水色の長袖シャツに紺色のズボン、黒の長靴姿の陛下は、鎌を手にしゃがみ込み、5月に田植えをしたもち米の「マンゲツモチ」と、うるち米の「ニホンマサリ」計20株を、力強く刈り取られた。

皇居での稲作は昭和天皇が始めた恒例行事。収穫された稲の一部は伊勢神宮(三重県伊勢市)に奉納されるほか、宮中祭祀(さいし)にも使われる。

宮内庁によると、陛下は今年の厳しい猛暑の中で農業に従事する人々へのねぎらいと、農作物の収穫が無事に終わることを願う気持ちを持たれているという。

寬仁親王妃信子さまは3日、日本武道館(東京都千代田区)で開催された全国警察柔道選手権大会と同剣道選手権大会に臨席された。

三笠宮家の彬子さまは同日、「古典の日文化基金賞」授賞式臨席のため、京都市の京都コンサートホールを訪問された。

高円宮妃久子さまは5日、さいたま市の埼玉スタジアムを訪れ、2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本代表と中国代表の試合を観戦された。

【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。

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