秋篠宮ご夫妻は3日から、日本との外交関係樹立100周年を迎えたトルコを公式訪問される。代替わり後、皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)となった秋篠宮さまの外国公式ご訪問は4回目。皇族数減少や高齢化が進む中、皇室の活動の「柱」の一つである国際親善のための外国訪問は、一部の皇族方に集中しているのが現状だ。専門家は、「現状に応じたあり方の模索も必要」と指摘する。
先月の三笠宮妃百合子さまの薨去(こうきょ)により、皇室は16方に減少、65歳以上は6方となっている。秋篠宮さまは皇嗣として、各国との重要な節目の年の国際親善や、英国王の戴冠(たいかん)式参列などで秋篠宮妃紀子さまとともに外国訪問を重ねられてきた。
皇室の国際親善について、政治経済研究所の舟橋正真研究員=写真=は、「選挙で変わる政治家の外交とは異なり、各国と中長期的な友好関係を築くことができる」と重要性を指摘。ただ、皇族方の高齢化により「制約も出てきている」とし、今後、天皇、皇后両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまや秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまへの「期待が高まるだろう」とみる。
一方で、「過度に期待しすぎることや、政治的に利用されることは避けなければならない」と説明。明治期の近代化や戦後の国際社会への復帰、戦没者の慰霊など、「時代とともに、皇室の外国訪問の目的やあり方は変化してきた」とした上で、「令和の象徴である天皇陛下を、皇嗣の秋篠宮さまをはじめとする皇族方がいかに支えていくのか。それぞれの皇族方の意思や関心も考慮しつつ、令和の国際親善の最も良い形を考えていく必要がある」と訴える。(吉沢智美)