震災を経験していない若い世代による活動を「心強く思います」。天皇陛下は17日、皇后さまとともに即位後初めて臨席した阪神大震災の追悼式典でこう述べ、世代を越えた継承の取り組みに期待を寄せられた。式典の前後には、震災体験の聞き取りや、防災学習に取り組む高校生や小学生らと親しく交流された。
天皇、皇后両陛下は神戸市で開かれた式典で犠牲者を悼み、黙禱(もくとう)をささげられた。宮内庁によると、上皇ご夫妻と両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまもそれぞれお住まいで黙禱された。
両陛下は式典に先立ち、被災者から体験を聞き、語り継ぐ活動に取り組む高校生らとご懇談。陛下は「世代間の交流は大切なことですね」と声をかけられ、皇后さまは「若い力は大きいですね」と語りかけられた。
式典後には、同市の防災学習施設「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」をご訪問。地元の小学生が防災や、災害のメカニズムについて学ぶ様子を見学し、子供たちと和やかに懇談された。両陛下は同日夕、特別機で帰京された。