皇后さまは9日、61歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて感想の文書を公表された。来年1月に能登半島地震から1年、阪神大震災から30年となるのを前に、犠牲者を追悼し、「被災された方々への支援や、今後の防災・減災について考え、備えていくことが大切」との認識を示された。
皇后さまは3月と4月、天皇陛下とともに能登半島を訪れ、被災者を見舞われていた。「復興が一歩一歩進んでいくこと」を願う中で9月、大雨による被害が発生し、「心が痛みます」と述懐された。
6月には、陛下と国賓として英国を訪問された。文書では、チャールズ国王夫妻から温かいもてなしを受けたとして「深く心に残る滞在になりました」とされた。
社会人となった長女の敬宮(としのみや)愛子さまが10月、初の単独地方公務に臨まれたことにもご言及。「社会人として様々な経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく努めていってほしい」と期待を寄せられた。
宮内庁はお誕生日に合わせて、天皇、皇后両陛下が先月15日に薨去(こうきょ)された三笠宮妃百合子さまと、平成28年に薨去した三笠宮さまの共著の句集などをご覧になる写真を公開。両陛下はゆかりの品々を手に取り、三笠宮ご夫妻を懐かしまれていたという。
皇后さまは文書で、平成5年の陛下との婚約内定後、ご夫妻から温かく迎えられた思い出を振り返り、「深く感謝し、心から哀悼の意を表します」とつづられた。
宮内庁は9日、療養を続けられている皇后さまについて、前年同様に「快復の途上」とする医師団見解を公表した。