3日から始まる秋篠宮ご夫妻のトルコご訪問。外交関係樹立100周年を迎えた日本とトルコの友好親善に皇室が果たしてきた役割は大きく、皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)である秋篠宮さまの節目のご訪問に、関係深化への期待が寄せられている。
皇室とトルコとの関係は、オスマン帝国時代に遡(さかのぼ)る。1887(明治20)年、小松宮彰仁親王らがオスマン帝国を公式訪問。その答礼として日本へ派遣されたのが、軍艦「エルトゥールル号」だった。遭難した軍艦の乗組員を、日本側が救助したことが両国の友好関係の礎となった。
戦後、学術交流を通じて友好を深めたのが、昭和天皇の末弟で、平成28年に薨去(こうきょ)した三笠宮さまだった。「オリエントの宮さま」として親しまれ、昭和38年以降、度々トルコを訪問。平成元年には同国政府から「アタチュルク国際平和賞」を受けたほか、3年には日本・トルコ協会の名誉総裁に就任した。
21年から同協会の総裁を務めた長男の寬仁親王殿下(24年薨去)も、遺跡発掘の施設建設に尽力。現地の人を対象にした奨学金制度設立も支援した。総裁職は現在、寬仁親王殿下の長女である三笠宮家の彬子さまが引き継がれている。
秋篠宮ご夫妻は3~8日の日程で同国を訪問し、記念式典に臨席するほか、三笠宮さまゆかりの遺跡も訪ねられる予定だ。訪問を前に、彬子さまや研究者から話を聞く機会も設けられた。彬子さまは11月、都内で開かれた100周年記念行事で「両国の絆は、両殿下のご訪問でますます強固なものになることでありましょう」と思いを寄せられた。