三笠宮妃百合子さまが薨去された15日、関西で交流のあった人たちから惜しむ声が広がった。
アジアの広い地域の歴史を学ぶオリエント史の学者だった三笠宮さま。関西オリエント協会の打間(だま)奈津子会長(79)は、神戸・北野の異人館街にペルシャの秘宝を集めた「ペルシャ館」をオープンさせた縁で、三笠宮さまや百合子さまと交流があった。
特に印象に残っているのが、平成7年の阪神大震災の直後に宮邸に招かれた際のこと。到着すると、三笠宮さまと百合子さまが心配して玄関まで駆け寄られた。「どうだった」「街はどう」と尋ねられたという。
百合子さまはいつも三笠宮さまを気遣い、「ご夫妻の仲がとても良く、百合子さまが三笠宮さまの冗談によく笑っておられた」。食事の際には百合子さまが打間さんに「これお食べになる?」と優しくご質問。交流の最後は毎回「また会いましょうね」とおっしゃったという。
百合子さまの薨去を知り、この日朝から過去に撮影した写真を見ながら懐かしんでいたという打間さん。「本当にすてきなお方で、すごくつらい。交流させていただき幸せだった」としのんだ。