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参列遺族の半数が80歳超、15日に戦没者追悼式 5年ぶり通常開催も進む高齢化

産経ニュース 2024年8月15日 0時56分

終戦から79年となる15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われる。天皇、皇后両陛下のご臨席のもと、全国各地の戦没者遺族らが参列し、先の大戦で犠牲となった約310万人の冥福を祈る。新型コロナウイルス禍を経て、式典は5年ぶりに通常規模で開催されるが、遺族の高齢化などを背景に参列者数は例年より減少する見通し。参列予定遺族の半数近くが80歳以上となり、記憶継承という困難な課題も浮かび上がる。

追悼式は新型コロナ感染防止のため、令和2年から4年連続で人数を大幅に制限し、規模を縮小して実施していた。厚生労働省によると、今年は全都道府県から希望する遺族が参列する。

コロナ禍前の参列者数は例年、来賓を含め6千人規模だったが、今年は約4300人にとどまる見込み。このうち戦没者遺族は3215人が参列を予定する。すでに戦没者の父母や妻世代の多くが鬼籍に入り、子供世代の高齢化も背景に、遠方で移動が困難なケースや、コロナ感染防止に慎重を期すケースも多いとみられるという。

参列予定の遺族の年齢は3歳から97歳。このうち80歳以上が1512人(47・0%)を占める。世代別では戦没者の子供が1344人(41・8%)、孫が425人(13・2%)など。戦没者の妻は2人のみで、父母の参列は平成23年に途絶えた。参列遺族のうち、戦後生まれは1513人と全体の47・1%に上る。

式典では岸田文雄首相の式辞後、正午の時報に合わせ黙禱(もくとう)。天皇陛下のお言葉に続き、遺族代表らが追悼の辞を述べ、参列者が献花する。

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