日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」(東京都中央区)は日本時間15日午後3時11分、2機目の月着陸船を、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから米スペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げた。月着陸船はロケットから予定通り分離し、打ち上げは成功。日本の民間企業初の月面着陸に向け、着実に第一歩を踏み出した。
ファルコン9は打ち上げから1時間半過ぎに月着陸船を分離した。着陸船は今後、燃料消費の少ない遠回りの航路を飛行し、5月末から6月初旬ごろにも月面着陸に挑む。成功すれば、日本の民間企業としては初の快挙となる。
アイスペースの袴田武史CEO(最高経営責任者)は15日、報道陣の取材に応じ、「着陸船が無事に分離されてほっとしたが、これからが本番。今度こそ月面着陸を成功させて、月への輸送システム構築の大きな1歩にしたい」と話した。
同社は同日、月面着陸計画の関係者や社員の家族など約300人が、打ち上げの中継映像を見守るイベントを東京都千代田区で開催。ファルコン9が無事に打ち上げられる様子が映し出されると、会場は割れるような拍手であふれた。その後、月着陸船がロケットから順調に分離したことが判明した際は、会場のあちこちから拍手ととともに「やった、成功だ」「月に行けるぞ」などの歓声が湧き上がっていた。