日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」(東京都中央区)は16日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから日本時間15日午後3時11分に打ち上げた2機目の月着陸船について、機器は全て正常に動作し、計画された軌道を順調に飛行していると発表した。
同社によると、月着陸船は打ち上げから1時間33分後、米スペースXのロケット「ファルコン9」から予定通り分離された。その後、アイスペース社内の管制室との通信を確立し、姿勢の安定や軌道上での安定した電源供給の確立を確認。飛行に必要な基幹システムに不備がないことが判明しているという。
袴田武史CEO(最高経営責任者)は、「まずは安定した航行状態の確立に成功し、順調なスタートを切れて安心している。これまで獲得した知識と経験をフルに活用して、安定した飛行を続けていきたい」と話した。
月着陸船は今後、燃料消費の少ない遠回りの航路をゆっくりと飛行し、5月下旬から6月初旬に月面着陸に挑む。成功すれば、日本の民間企業では初の快挙。搭載する小型探査車による月の砂の採取も計画している。