三菱電機は27日、日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う国の準天頂衛星「みちびき」6号機を神奈川県鎌倉市の衛星製造拠点で公開した。今年度中に日本の次世代主力ロケット「H3」5号機で打ち上げる。
6号機は大きさが縦横約2・3メートル、高さ約5メートルでマイクロバスに匹敵。軌道上で太陽電池パネルを広げた端から端までの長さは約19メートルで、燃料を含めた重量は約5・9トンとなる。地上に向けた大小約10個のアンテナを備え、高度約3万6千キロの軌道を周回する。
みちびきは、日本独自の測位衛星。平成30年から4基体制で運用しているが、4基は測位を行うのに最低限の数で、日本から全てが見えない時間帯が生じる。そのため、安定した測位を目指して令和7年度までに3基を追加し、7基体制に拡充する。製造上の都合で打ち上げは順不同となっており、6号機が追加分の第1弾となる。
米国が運用するGPS衛星を併用すると、測位の誤差は最高でわずか6センチを実現。高精度な計測が可能なため、スマートフォンの位置情報や車の自動運転、小型無人機ドローンの精密制御などに利用されている。
7基体制になれば、通常の測位はGPS併用が不要になるという。ただ1基でも故障すると測位に支障が出るため、将来は予備も含めて11基体制の構築を目指している。