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アイスペース、2機目の月着陸船を12月に打ち上げへ 月の「氷の海」で砂の採取を目指す

産経ニュース 2024年9月12日 17時6分

日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」(東京都中央区)は12日、今冬としていた2機目の月着陸船の打ち上げを、早ければ12月に行うと発表した。4~5カ月後には月の北緯60・5度、西経4・6度にある「氷の海」の中央に着陸する計画という。搭載した小型月探査車で月の砂を採取し、所有権を米航空宇宙局(NASA)に販売するとしており、実現すれば月における世界初の商取引となる。

同社は、昨年4月に初めて月面着陸に挑戦したが、高度認識システムの不具合で、着陸船が高さ約5キロから墜落して失敗しており、今回は「雪辱戦」となる。袴田武史CEO(最高経営責任者)は、12日の記者会見で「改善の歩みを止めず本日まで進んできた。全てが順調ではあるが、前回の経験を踏まえ、気を抜かずにしっかりやっていきたい」と話した。

また、同社は記者会見に合わせ、2機目の月着陸船を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で初公開した。着陸船は高さ約2・3メートルで、青色の太陽電池パネルや金色の断熱フィルムに囲まれ、既に全長54センチの小型月探査車も搭載している。

現在は、同センターで熱真空試験や振動試験など多様な試験を行っている。完了後は、米フロリダ州のケープカナベラルに輸送し、米スペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられる。

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