東北電力は3日、再稼働した女川原発2号機(宮城県)について、同日予定していた発電再開を延期した。原子炉内の中性子を測定する検出器を炉内に送り込む途中で動かなくなり作業を中断した。原子炉への異常は確認されていないが、東北電は、点検のため、原子炉を停止するという。
東北電によると、3日午前、発電再開に向けた準備作業を開始。炉内の中性子を測定する検出器を駆動装置を使って送り込む際、ケーブルが途中で動かなくなった。検出器は手動で引き抜かれ、原子炉格納容器の隔離弁も閉じた。
回収された検出器の測定機能に問題はなく、放射性物質の漏洩(ろうえい)も確認されていないが、東北電は不具合の原因を特定した上で再開時期を決めるとしている。
女川2号機は10月29日に東日本大震災の被災地に立地する原発として初めて再稼働し、30日には核分裂反応が安定して継続する「臨界」に達した。事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、BWRとしても初の再稼働となった。