宇宙事業会社のスペースワン(東京都港区)が18日に小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機は、宇宙空間に到達した直後に異常が生じて爆破された。3月の初号機に続く2回連続の失敗となる。宇宙開発に詳しい学習院大の小塚荘一郎教授(宇宙法)に話を聞いた。
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打ち上げ失敗は残念だが、3月の初号機よりも先まで飛んだので、着実に前進しているとの印象を受けた。イーロン・マスク氏のスペースXをはじめとした海外の民間ロケットも、最初のころは打ち上げ失敗を重ねている。カイロスはまだ2号機なので「これでだめだ」とは全くならない。
小型ロケットの開発は、数少ない打ち上げの機会で成功を狙うよりも、打ち上げを重ねて問題点があれば修正していく形で進めた方がよいだろう。原因究明を急ぎ、なるべく早く3号機を打ち上げて成功につなげてほしい。
今の日本には、小型衛星の打ち上げに対応した小型ロケットがない。(複数の衛星を一体的に運用する)コンステレーションの構築などで打ち上げ需要が増えているのに、もったいない状況だといえよう。
一番怖いのは、打ち上げ市場で支配的な小型ロケットが海外で登場してしまうことだ。そうなると、みんながそこに頼んでしまい、後から入り込むことが難しくなってしまう。カイロスの開発はスピードも大事にしてほしい。(談)