東北電力は15日、東日本大震災で被災した原発として初の再稼働となる女川原発2号機(宮城県)で発電を再開した。当初は3日の予定だったが、中性子を計測する検出器が原子炉に送り込まれる途中で動かなくなり、点検のため延期した。営業運転は計画通り12月中に再開する。
東北電力によると、15日午後6時、核分裂によって発生した熱を利用し、蒸気の力でタービンを回して発電を開始。送電網と接続し、同日中に一般家庭や企業に電気が送られた。
一般的に原発は原子炉起動後に徐々に出力を上げる「調整運転」を経て営業運転に移行するが、女川2号機では出力が100%に達した後に原子炉を止めて点検する「中間停止」のプロセスを独自に設定。13年ぶりの本格運転を見据え、安全側に最大限配慮した。
女川2号機は出力82万5千キロワットで、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉。東北電の樋口康二郎社長は15日、発電再開を受け「震災前より安全性は向上したが、さらなる取り組みを着実に進める」とのコメントを出した。