宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」用の2段目エンジンが先月26日の燃焼試験で爆発した事故に関して東京都内で記者会見を行い、試験中に燃焼ガスが漏れていたことが分かったと発表した。事故の影響で、今年度中を目指していたイプシロンS初号機の打ち上げは不可能との見通しも明らかにした。
JAXAによると、イプシロンSで用いる固体燃料エンジンは、着火すると燃料がガス化し、エンジン後方にあるメガホンのような形状の「ノズル」という装置から噴出させて推進力を得る。それが今回の試験では、爆発直前にエンジン後方のノズル以外の場所からも燃焼ガスが漏れて噴出していたという。因果関係は未解明だが、JAXAは爆発に何らかの影響を与えたとみている。
一方、イプシロンS初号機の打ち上げ時期についてJAXAの岡田匡史理事は「打ち上げ前にはエンジンの燃焼試験の成功が必須だが、試験用施設の復旧に時間がかかる。今年度中の実施は不可能とみている」との見方を示した。