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身長約1メートル、最小の人類を確認 インドネシアの孤島、東京大など化石を分析

産経ニュース 2024年8月7日 0時0分

インドネシア東部のフローレス島で、約70万年前に大人でも推定身長が100センチ程度しかない原人がいたことを東京大などの研究チームが突き止め、6日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で発表した。同島で約6万年前にいた原人よりも小さく、最小の人類となるほか、小柄な体格を60万年以上も維持し続けたことも分かった。

研究チームによると、2013年に同島で約70万年前の地層から発見された上腕骨(肩と肘の間の骨)の一部の化石を分析。長さは8・8センチで大人か子供かは不明だったが、顕微鏡で骨の内部構造を調べ、新陳代謝が活発に繰り返された様子などから大人と判断。三角筋が付着する部分のわずかな痕跡などから上腕骨全体の長さを推測して身長を割り出した。

同島では04年、約6万年前にいた推定身長106センチの小型の原人が報告され、「フローレス原人」と名付けられた。

同島に原人が渡ったのは約100万年前で、当初は現代人と同様の身長だったとされる。今回の成果により、原人の身長が島に渡ってから30万年以内に劇的に小型化し、その体格を長期間維持し続けたと考えられる。

フローレス原人は、現生人類が同島に出現した約5万年前に姿を消した。東京大総合研究博物館の海部陽介教授(人類進化学)は「動物のサイズは劇的に変化するが、それが人類でも起き、低身長がずっと続いていた。人類の進化が一様ではないことを示している」と指摘する。

化石の模型は東京都千代田区で10月6日まで開催中の特別展「海の人類史」で公開されている。

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