宇宙事業会社のスペースワン(東京都港区)は18日、開発中の小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機を和歌山県串本町のロケット発射場、スペースポート紀伊で同日午前11時に打ち上げたが、宇宙空間に到達後、安全な飛行が困難になり爆破したと発表した。打ち上げは失敗した。1段目エンジンの噴出装置の異常が原因とみられ、確認を急いでいる。今年3月、初号機も打ち上げの約5秒後に爆発しており失敗は2回連続。
同社の豊田正和社長は18日午後の記者会見で、「衛星を軌道に投入するという最終段階に至らなかった。応援してくださった方の期待に十分お応えできず、大変残念に思っている」と陳謝。その上で「一刻も早く原因を究明して再発防止策を明らかにし、次の挑戦に臨みたい」と話した。
同社によると、2号機は発射から1分20秒後、1段目エンジンの後部にある、メガホン状の噴射装置の向きを変える仕組みに異常が発生。機体全体がらせんを描くように回転を始めた。
機体は飛行を続け、2分21秒後に1段目を分離して2段目エンジンに点火。2分48秒後に衛星カバーを分離したが、飛行方向が西側に大きくずれ修正が不可能になった。そのため、機体の自律飛行安全システムが安全な飛行は困難と判断し、高度100キロ以上の宇宙空間を飛行していた3分7秒後に爆破したという。