文部科学省は24日、世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」の第1号として認定した東北大に対し、初年度である令和7年度分として約154億円を助成する見込みだと発表した。同大が提出した、研究体制などの強化計画を認可したことに伴う措置で、助成期間は25年間。
卓越大への移行に向けた政府の手続きは実質的に終了した。同大の冨永悌二総長は東京都内で記者会見を行い、「研究力強化をまず行うべきだと思っている。国民からの負託を果たすため、全力でやる」などと話した。
強化計画では、研究環境の整備や優秀な人材の確保などを重視。研究者が研究に専念できる時間を確保するため、専門職のスタッフを大幅に増やす。若手研究者らの研究を活性化させるため、教授を中心とした研究室の運営を廃止。准教授や助教らを含む各研究者が独立して研究室を主宰する「ユニット制」に転換するなどとした。
卓越大への助成は、政府が設立した10兆円規模の「大学ファンド」の運用益が原資となる。
文科省は24日、新たな卓越大の認定に向けた公募も開始。有識者会合による審査などを経て、7年度中にも候補を絞り込む。