ヒューリック杯第95期棋聖戦で5連覇、史上最年少で永世称号の資格を獲得した藤井聡太棋聖(22)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=の就位式が10月末、都内で行われ、大勢のファンが祝った。一方で、藤井棋聖の次期挑戦者を決める第96期の戦いは進んでおり、一部で2次予選に突入している。
1次予選は8ブロックに分かれ、谷合廣紀四段(30)▽出口若武六段(29)▽宮嶋健太四段(25)▽井田明宏四段(27)-の4人が2次予選進出を決めた。
1次予選で話題を呼んだ対局の一つが、小山怜央四段(31)と西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=との対戦だ。小山四段は昨年2月、棋士編入試験に合格。戦後、棋士養成機関の奨励会を経ずに初めて棋士となった。西山女流三冠は女性初の棋士を目指して9月から棋士編入試験に挑戦し、第2局を終えて1勝1敗としている。
両者の対戦は10月に行われ、西山女流三冠が熱戦を制した。西山女流三冠はその後、2度目の2次予選進出を懸けて決勝に臨んだが、谷合四段の前に敗れた。
その谷合四段は、西山女流三冠が奨励会三段リーグ戦で惜しくも次点になったときに四段に昇段した。初の2次予選を決めた谷合四段は「素直にうれしい。2次予選が楽しみですね」と話した。(田中夕介)