将棋棋士、渡辺明九段(40)の紫綬褒章受章が決まった。「将棋が取り上げられる機会が多く、(受章は)その波に乗らせていただいた」と控えめに喜びを表す。将棋棋士の褒章受章は16人目だが、40歳は最年少。「将棋界をつないでこられた先輩方の重みを感じる」と、感謝の気持ちを強調した。
小学4年で小学生名人となり、プロ棋士養成機関「奨励会」に入会。平成12年、史上4人目の中学生棋士としてプロ四段に。16年に初タイトルとなる竜王を20歳で獲得、20年には3連敗の崖っぷちから4連勝で5連覇し、初代永世竜王の資格を得た。「初タイトルなど、節目節目の対局が印象に残る」と振り返る。
藤井聡太七冠(22)の台頭とともに無冠となったが、「今まで結果が出ていないが、諦めているわけじゃない」と雪辱を期している。
趣味は競馬やサッカーなど多岐に及び、人柄を愛するファンも多い。「先輩方と同じ年齢まで活躍したい。トップ棋士の範囲内でいたい」と今後を見据えた。(田中夕介)