将棋の藤井聡太王座（22）＝棋聖・竜王・名人・王位・棋王・王将＝に永瀬拓矢九段（32）が挑戦している第72期王座戦五番勝負の第3局が30日、京都市東山区で指され、後手の藤井王座が156手で勝ち、シリーズ3連勝で初防衛を果たした。
藤井王座は、これで八大タイトルすべてで防衛を記録した。7冠同時保持も堅持し、獲得タイトルを通算25期（歴代6位）に伸ばした。
一方、藤井王座に昨年奪われた王座のタイトル奪還を目指した永瀬九段は無冠返上を逸した。
本局は終盤に入り、永瀬九段が優位に進めた。しかし、一瞬の隙をついた藤井王座が形勢を逆転し、押し切った。
終局後、藤井王座は「先手玉が安定し、最後まで苦しい局面が続いた。（初防衛という）結果を出せたことはうれしいが、本局は厳しい将棋だった。（将棋の）内容を、より高めていかなければ、と思った」と、振り返った。
永瀬九段は「今シリーズは角換わりシリーズだったが、形勢が良くなったのは本局だけだった。チャンスは少なかった。ゼロから頑張りたい」と語り、悔しさをにじませた。