第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT杯)の決勝が24日、東京都江東区内で指され、後手の渡辺明九段(40)が広瀬章人九段(37)に106手で勝ち、5期ぶり、4度目の優勝を果たした。渡辺九段の一般棋戦優勝は12回となった。
準決勝で、3連覇を狙った藤井聡太JT杯覇者(22)=棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=を破った広瀬九段の初優勝はならなかった。
両者の決勝での激突は第40回以来で、居飛車の戦いからお互いに小刻みに時間を使う展開で終盤に突入。両者とも1分将棋となったが、最後は渡辺九段が押し切った。
終局後、渡辺九段は「途中から手詰まりで、難しかった。5年ぶりの決勝の舞台で緊張感があった」、広瀬九段は「苦労している展開で、チャンスのない残念な将棋だった」と、それぞれ語った。