将棋の加藤一二三(ひふみ)・九段(84)が総合家庭月刊誌「家の光」で連載している詰め将棋の問題が65年を超え、「同一雑誌におけるボードゲームパズル作者としての最長キャリア」としてギネス世界記録に認定され、21日、都内で公式認定証の授与式が行われた。加藤九段は「大変喜んでいる。(問題は)読者の皆さまに楽しんでもらえるよう意図してきた」などと語った。
加藤九段が「家の光」の詰め将棋コーナーで出題・解答を始めたのは昭和34年、19歳のとき。9月号の第1問から掲載が続き、その期間が今年10月1日、65年62日と認定された。
加藤九段は29年8月、14歳7カ月で史上初の中学生棋士となった。「ひふみん」の愛称で親しまれ、平成29年に現役最高齢で引退後も各メディアで活躍。将棋の普及発展と技術向上に努めている。
加藤九段が詰め将棋の名作と出合ったのは小学4年生の頃。その問題を見た瞬間、将棋に魅力を感じたという。
都内で記者会見した加藤九段は、「7手詰め、9手詰め(の問題)をたくさん作りました。7手詰めでは良い手、目の覚めるような手を2手入れるようにしました。9手詰めでは、さらにもう1手入れるように」などと話した。
「このギネス世界記録は破られないと思うか」との質問に、加藤九段は「そう思います。(記録を)更新していきたい」と言い切った。
高齢の加藤九段は移動には車椅子を使っているが、マシンガンのような〝加藤節〟は、まったく衰えを見せない。マイクを握った加藤九段の言葉は途切れることなく続き、何度も「そろそろ」と制止される場面が見られた。