将棋の藤井聡太七冠(22)=棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=は8日、東京都渋谷区千駄ケ谷の新将棋会館で指された第10期叡王戦本戦トーナメント1回戦で増田康宏八段(27)に111手で勝ち、伊藤匠叡王(22)への挑戦権獲得に向けて好スタートを切った。藤井七冠は2回戦で、木村一基九段(51)-戸辺誠七段(38)戦の勝者と対戦する。
藤井七冠は前期の叡王戦五番勝負で伊藤叡王に2勝3敗で敗れ、初のタイトル戦敗退を喫した。今期は叡王奪還と、2度目の8冠独占を目指す。藤井七冠がタイトル戦の予選を戦うのは、令和5年8月の王座戦挑戦者決定戦以来。
藤井七冠と増田八段は2月開幕の棋王戦五番勝負で激突することが決まっている。棋王戦では、藤井七冠が3連覇、増田八段は初のタイトル戦で初戴冠をそれぞれ目指す。
終局後、藤井七冠は「久しぶりの公式戦で集中して指すことができた。(叡王)挑戦を意識する段階ではなく、一局一局頑張っていきたい」、増田八段は「中盤以降、難しい将棋で力不足を感じた。(棋王戦まで)時間があるので、しっかり準備して良い将棋を指したい」と、それぞれ話した。