女性初の将棋棋士を目指す西山朋佳女流三冠（29）＝白玲・女王・女流王将＝のプロ棋士編入試験五番勝負の第2局が2日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指される。開幕局で好スタートを切った西山女流三冠。連勝すれば念願の棋士に王手をかける。
西山女流三冠は9月10日の第1局で高橋佑二郎四段（25）と対戦した。4月1日付で棋士となった高橋四段は、5月21日に指されたヒューリック杯第96期棋聖戦1次予選で公式戦デビュー。初陣を飾った高橋四段は棋聖戦1次予選4強入りを決めるなど勢いに乗る俊英の一人だ。
西山女流三冠は、その高橋四段を撃破。福間香奈女流五冠（32）＝清麗・女流王座・女流名人・女流王位・倉敷藤花＝に続く女性挑戦者として、編入試験初勝利を上げた。
将棋のプロは棋士と女流棋士がいて、制度が異なる。棋士になるには棋士養成機関「奨励会」の三段リーグを突破するか、編入試験合格が条件。西山女流三冠は令和2年、三段リーグで14勝4敗の好成績を収めながらも次点に泣き、涙をのんだ。
編入試験第2局の対戦相手は山川泰熙四段（26）。西山女流三冠は山川四段について「正統派の居飛車党のイメージがあり、実力者という印象」と語り、「目の前の一局一局を頑張りたい」と意気込みを示す。
第2局は午前10時、西山女流三冠の先手で開始する。（田中夕介）