山梨県富士吉田市の堀内茂市長は１０日の定例会見で、今月１日に開山した富士山の山梨県側登山道「吉田ルート」で、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」を「昨年に比べ９５％近く防ぐことができている」と語った。山梨県が５合目にゲートを新たに設置するなどした入山規制の効果が発揮されていると評価した。
同市によると、１日から９日までで午後５時から翌午前３時までの時間帯に、６合目の「富士山安全指導センター」前を通過した登山者は約５００人で、前年同期の同じ時間帯の約３分の１以下の水準となった。さらに今年は通過者のほとんどが、山小屋宿泊者や山小屋関係者とみられることに加え、堀内氏は「山小屋関係者からは弾丸登山がほとんどなくなったと聞いている」とし、弾丸登山を大幅に抑制できているとの認識を示した。
また、静岡県側の登山道は１０日に開山したが、山梨県のような入山規制措置はとってはいない。堀内氏は山梨県側の規制によって「（弾丸登山者が）静岡側に集中する可能性がある」と懸念を示したうえで「来年以降は山梨、静岡の両県にまたがった一体的な規制をやるべきだ」と強調した。（平尾孝）