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約20年ぶりに復活した「鷺舞」 島根からの逆輸入経て

産経ニュース 2024年7月16日 16時55分

祇園祭の宵山でかつて披露されていた鷺舞(さぎまい)が今年、約20年ぶりに復活した。約5年前に活動を始めた「祇園会(ぎおんえ)鷺舞講」(坂田憲治代表)のメンバーが披露した。

宵山期間初日の14日、白楽天山の会所前(京都市下京区)で、約20人のメンバーが披露。笛、鉦(かね)、太鼓のお囃子(はやし)に合わせて歌いながら雄と雌のサギが優雅に舞った。

鷺舞は、応仁の乱以前の約600年前にあった「笠鷺鉾」の周りで披露されていたという記録があるが、江戸中期には途絶えた。その後、島根県津和野町の弥栄神社に伝わり神事として行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。令和4年には「風流踊(ふりゅうおどり)」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。

昭和30年ごろ、京都大や同志社大の有志が鷺舞保存会を結成。津和野町から〝逆輸入〟の形で長らく途絶えていた鷺舞を復活させ、宵山の際に八坂神社境内で披露していた。しかし、それも約20年前に中断した。

その後、津和野の鷺舞の歌詞や振り付けを知るメンバーを中心に新たに結成した「祇園会鷺舞講」が活動を開始した。坂田代表は「鷺舞は神様に楽しんでいただき、氏子たちも楽しむことが目的。見ている人には一緒に歌ってほしい」と話している。(田中幸美)

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