江藤拓農林水産相は7日の記者会見で、コメの流通が滞り米価が高騰していることを踏まえ、政府が保有する備蓄米を放出する考えを明らかにした。集荷業者への売り渡し数量や価格など入札の詳細については来週にも発表する。コメ流通の円滑化に向けた備蓄米放出は初めてとなる。
2024年産のコメの生産量が前年比で18万トン多くなる見込みに対し、農協など主要な集荷業者が確保できた量は前年より21万トン少ない状況となっている。江藤氏は備蓄米の放出に至った判断について、「あくまで(コメ)流通のスタック(停滞)を解消するということが念頭にあり、価格に着目したものではない」と強調。在庫を円滑に市場へ流通させるための政策だと説明した。
農水省は1月31日、新たな政府備蓄米の運用制度を発表。コメの価格高騰が続く中、大凶作など生産量が大幅に減ったときに限り放出できた備蓄米を、コメの円滑な流通に支障が生じた場合に農水相の判断で集荷業者に販売できるように見直した。