難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を20年にわたって撮影し続けた写真家、渡辺肇さん(60)の写真展「Face・ALS~生きる勇気~」が東京・有楽町の東京交通会館2階ギャラリーで開かれている。寝たきりだったり、車いすで介護されたりする患者が時折、笑顔でフレームに収まっている。渡辺さんは、「ALSを知らない人にぜひ見てほしい。生々しい環境と生きる力を感じとっていただきたい」と話している。
写真は、病気に対する理解増進や療養環境の整備に取り組む日本ALS協会(東京)の機関誌用に撮影された。被写体の38人のなかには、テレビ番組でも活躍したフランス文学者、篠沢秀夫さんや、東京パラリンピックの開会式でパフォーマンスを披露した武藤将胤さんの姿もある。
同協会などによると、国内のALS患者は約1万人と少なく、病気の正しい理解につながっていないという。写真展を通して、社会における認知を広げるとともに、強く生きる患者の姿で他の患者を元気づけたいとしている。入場無料、25日まで。午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)。(原田成樹)