奈良市とあいおいニッセイ同和損保は、包括連携協定を締結し、車載器で運転時の動きを分析する同社の「テレマティクス」を活用した交通安全向上の実証実験を行うことで合意した。6月の実施を予定している。
テレマティクスは自動車に通信機能のある車載器を搭載すると、運転に関する情報が提供されるサービス。実験では同社が「タグ」と呼ばれる車載器を無償で貸し出し、利用者はタグに対応するアプリをスマートフォンにインストールする。
急発進、急ブレーキといった運転時の挙動を反映した運転診断をしてもらえるほか、安全運転による二酸化炭素排出削減量なども表示される。安全運転はスコア化されており、市は法人による対抗戦で上位3事業所の表彰を予定している。
また、市内で車が危険な挙動をしがちな場所や走行ルートなどを安全マップとして提供し、交通安全の向上にも寄与するとしている。
タグは300台を用意しており、貸出期間は6月いっぱいの1カ月間。先着順で個人、法人は問わない。申し込みは3月末まで。
1月27日に市役所で協定締結式が行われ、同損保奈良支店の藤居亮一朗支店長は「ゲーム感覚で楽しみながら安全運転と環境保全を実現する取り組みだ。社会の課題解決に向け、市と協力したい」と話し、仲川げん市長は「交通安全上の危険箇所を洗い出すと同時に環境を保全する仕掛け。ともに盛り上げたい」と答えた。