健康にいい、というイメージがあるけれど、なかなか食べる機会がないのが果物です。おいしいから好きですが、皮をむくのが面倒、なんて思うこともあります。
「厚生労働省は病気予防や健康増進のために、1日に取る目標量を200グラムと定めているわ。でも、多くの人が足りていないのが現状ね」
江上料理学院副院長の江上佳奈美先生がこう教えてくれました。ならば、料理にも積極的に取り入れたほうがよさそうですね。「食べ切りサイズで、皮をむくなどの手間がいらないカットフルーツを使うのがおすすめ。スーパーやコンビニエンスストアで、身近に手に入りやすいわ」
早速、カットパインを使って、酢豚を作ってみることにしました。豚肉は加熱しても、かたくなりにくい肩ロースを選びました。下味をつけた後、片栗粉をまぶしつけます。「薄くまんべんなくつけるのがコツ。余分な粉は、はたいて落としてね」と江上先生。
フライパンでこんがりと焼いたら取り出し、残った脂をペーパータオルで拭き取ります。ここからは材料を次々と投入し、一気に仕上げます。合わせ調味料を加えて炒め合わせると、おいしそうなとろみが出てきました。豚肉にまぶした片栗粉だけで、こんなふうにとろみがつくなんて簡単です。
立ち上る香りが食欲をそそり、食べ始めると、パイナップルの甘酸っぱさが、さらに食欲をかき立てます。「パインと豚肉って、とっても合うのね。暑い季節にぴったりの味だわ」とママ。缶詰のシロップ漬けとは違う爽やかな酸味が、豚肉のうまみにマッチしています。今度はサラダやチャーハンにも入れてみよう。バーベキューで「焼きパイン」もいいかも。
材料・3人分
生パイナップル(カットタイプ)……………………150グラム
豚肩ロース肉(1センチ厚さ)……………………200グラム
タマネギ………………………50グラム
ショウガ(みじん切り)……………………1かけ分
中華スープのもと、酒、しょうゆ、片栗粉、酢、砂糖、サラダ油
作り方
❶豚肉は3~4センチ角に切り、酒、しょうゆ各大さじ1で下味をつける。
❷タマネギは3センチ角に切る。
❸パイナップルは5ミリ厚さに切ってから3センチ角に切る。
❹水大さじ2、酒、酢各大さじ1、しょうゆ、砂糖各大さじ1½、中華スープのもと小さじ¼を混ぜ合わせる。
❺①の汁気をペーパータオルで拭き取る。片栗粉を薄くまぶしつけて、余分な粉をはたく。
❻フライパンにサラダ油大さじ½を熱し、⑤を両面焼いて取り出す。
❼⑥のフライパンを拭き、サラダ油大さじ1を熱してショウガ、②を炒める。⑥の豚肉を戻し入れ、③を加えて炒め合わせ、④を加える。全体に味を絡めて、器に盛る。